改革の目的が間違っているから失敗したり中途半端に終わるのです。
●ゴールの明確化が、プロジェクト成功を実現できるのです
例えば、新商品の開発プロジェクトであれば、販売目標を設定し、その商品の市場における役割や位置づけ、また、自社での位置づけを明確にして、開発に取り掛かるでしょう。
同様に、人事評価制度改革のプロジェクトも、まずゴールを明確にしたうえでプロジェクトをスタートする必要があるのです。
●人事評価制度の目指すべきゴールは…
①納得感のある評価の実現
②モチベーションアップ
③人件費の公平な分配
④役割と目標の明確化
⑤社員のキャリアプランの明確化
などが、あげられますが、あなたは、どれがゴールだと思いますか?
実はどれもゴールではないのです。
人事評価制度のゴールは、“人材育成を通じた経営目標の達成”なのです。
これはどのような会社にも共通ですが、しかし実は、ほとんどの会社では、前述の①~⑤をゴールに掲げているのです。
これが、人事評価制度改革が失敗したり、中途半端に終わったりする大きな要因になっているのです。
では、なぜ①~⑤のような内容がゴールにならないでしょうか。
それは、これらは決して達成できないことなのです。
あなたの会社の社員全員が“評価に納得し続ける”ことが可能でしょうか。
“高いモチベーションを持ち続ける”ことが、“給与や賞与の額に常に満足し続ける”状態が実現できるでしょうか。
一時的には可能かもしれませんが、長続きはしないでしょう。
これは、不可能と言えるでしょう。
●人事評価制度は社員のためでなく、会社の将来のためなのです
ゴールは、会社全体にかかわるものを設定すべきです。
その結果が、社員のためにもなるのです。
①~⑤は全て社員の個々に関することです。
一方、人事評価制度は会社の経営改革であり、あくまでも会社が良くなるために取り組むプロジェクトです。
ですから、“社員のため”というようなゴールを設定するから失敗するのです。
社員には、正直に“人事評価制度は会社の将来のため”のものと明確にし、そして、“本気で、一緒に目指してくれる社員には、当然良いこともあります”、ということで良いのです。
また、①~⑤はプロセスとしての目標としては適切です。
もちろん100%の実現は無理ですが、プロセス目標として100%に近づけるように努めることは重要です。
会社のビジョンを実現するために、“できるだけ①~⑤を実現していきます”という提示の仕方もあります。
もちろん、人材を活かすために追求すべき課題であることは間違いありません。
●ビジョンは、経営計画で明確にします
これまで、人事評価制度の目的は会社の経営目標の実現であるということを説明してきました。
プロジェクトを成功させるにはゴールを明確にすべきだということです。
では“会社の経営目標”は、会社のビジョンや将来の会社のあるべき姿を明確にする必要があるのです。
それらをわかりやすく具体的に明文化したモノが「経営計画書」なのです。
ですから、人事評価制度を構築するためには、まず、会社の「経営計画書」が必要なのです。
この「経営計画書」を実現するための人事評価制度です。
コメントを残す